長安寺のケヤキとは
日頃市町の長安寺の山門には次のような逸話が伝えられています。江戸時代、長安寺で山門を造営中、伊達の殿様の逆鱗にふれ、再三にわたり取り壊しを命ぜられました。藩のお止木である欅を使ったうえ、仙台にもない高楼を建てたという理由でした。時の住職、廓念坊秀諦は「これは欅ではなく、槻の木」と釈明、かろうじて取り壊しを免れたというものです。寛政10年(1798年)造。
気仙地方は欅の産地として有名で、木目が美しく、強度があるから社寺建築に数多く用いられました。大きな木は、木陰木として旅人の憩いの場にもなり、一里塚や追分碑によく見かけます。